メロディで色々やらせていただいている三ツ川です。
DESIGN(デザイン思考)をこれまで色々な現場で実践してきました。
主にデザインに関わる仕事は広告や商品パッケージ、建築インテリアなど、ビジュアルをいかに美しく魅せるか機能的であるかを試行錯誤とアイデアで勝負する世界です。
そんな世界からなぜこの介護の現場へやってきたのかを振り返りながら自分自身のメロディズムと向き合う機会をいただきありがとうございます!新海さん!!笑
学生の頃から一人旅が好きで自転車や青春18切符を手に各地を巡り、旅先でその土地の人たちと触れ合い何度も訪れる場所(第二第三のふるさとのような)との出会いが大好きでした。そこから多くのことを学ばせていただき、今の自分の価値観にもすごく影響を与えた大切な時間だったと思います。今でも大切にしているその時の感覚は何事にも好奇心を持つということです。
そこから好奇心が止まらず、自分の目でリアルな世界を見たいと思うようになり、世界へ飛び出しました。
言葉や文化の壁を越えて、その場所の人やモノ、デザインに触れ、多種多様な価値観を知り多くのことを学ばせてもらいました。
そんな自由奔放な生き方をずっと陰で支えてくれていたのが爺ちゃんと婆ちゃんでした。幼少の頃からずっと。
老いを感じさせないぐらい元気な二人で、常に二人で支え合いながら生きてきた人生をいつも語ってくれました。
そんな爺ちゃんが突然倒れ、救急搬送されたと当時タイに住んでいた自分に連絡が入り、急遽帰国してからそのまま在宅介護の生活がスタートしました。
突然の帰国で慣れない日本の生活や仕事に育児、介護全てを同時にこなす日々に悪戦苦闘の毎日でした。
そんな中このタイミングでメロディと出会えたことが自分や家族にとって大きなターニングポイントになりました。
これまでのキャリアを介護福祉の業界で実践する機会をいただいたと同時に自分自身が介護サービスを利用する立場になり、自分の置かれた状況と仕事がご縁によって、結びついた瞬間でした。
法律や保険など介護業界全体のことから経営マネージメントや現場のことも関わりながら学ばせていただき今があります。
メロディとの関わりを通じて、ケアする側とされる側とその家族の気持ちや技術的な介助やオムツの選び方とかまでたくさんのことを教えてもらいました。
特に突然爺ちゃんが重度の認知症になり、寝たきりになった時の対応は家族としてどう向き合ってどうケアしたら良いのかすごく悩みましたが、都度相談できるこの環境に本当に感謝です。ACPや在宅看取りでのゆらぎなど、実際に経験していく中で学び、実際に関わりを持つ中でケアマネの重要性やそれぞれの専門分野の人たちが連携して支えてもらっていることも実感しました。
ただやはりそうは言っても実際に家族を自宅で介護するのは覚悟と忍耐、そして想像力が必要だと感じました。
特に爺ちゃんが突然幻覚や幻聴が聞こえて、ずっと一人で訳のわからないことを喋ってるのをみて最初はショックでどう対応したら良いか分からず右往左往しましたが、ある時これはとてもすごいことなんだとパラダイムシフトが起こりました。
それは『爺ちゃんはベットの上で場所と時空を超えて旅をしてるんだ』と感じたからです。
目の前の自分以外の誰と楽しくおしゃべりしているのか?それをよく聞いて観察して爺ちゃんの世界から見たら最高に素晴らしい世界だと思いました。
それは亡くなった戦友と満州であったり、北海道へ旅したり、飲み会してたり、何よりすごく楽しそうでした。
そしてたまに自分との会話ができる時に北海道へ行ってきたとか戦友に会ったとか楽しく話してくれました。
それは本当にすごいことだと思いました。
何より爺ちゃんが認知症になって寝たきりになってもハッピーでいられてることがとても嬉しく感じました。
最後に
デザイナーとしての最大の強みは問題解決能力だと思いこれまでやってきましたが、問題を解決することに一喜一憂しすぎ本当の目的を見失うこともよくありました。そんな時、爺ちゃん婆ちゃんの認知症介護から学ばせてもらったのが、『ネガティブ・ケイパビリティ』という考え方でした。
不可解で不確実な認知症の爺ちゃんと婆ちゃんを無理に理解しようとかどうしたら解決できるのかとか考えず、ただただその状態にとどまる、何もしない、そのままわからないを前提にさまざまな視点から物事を捉え直すということがとても重要だとわかりました。
家が好きな爺ちゃんを在宅で家族みんなで看取りたいと思い描いていた最後の願いを叶えることができて、素晴らしい最後を迎えることができたと確信しています。
今現在、今年102歳になるウルトラ認知アメージング婆ちゃんの在宅介護奮闘中!!